多店舗展開にてクレジットカード決済導入を考えたときに読むページ

クレジットカード決済
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はじめに

このページではこれから多店舗展開を検討されている事業者様に向けクレジットカード決済導入の基本的な情報をご案内します。

多店舗展開でのクレジットカード決済導入の必要性

経済産業省が23年に発表した報告書(※)によると、小売店や飲食店など多店舗展開している店舗でのキャッシュレス利用可能イメージは70%以上となっており、現金を持ち合わせていなくとも商品購入やサービス提供が受けられるいう認識が広く浸透しているようです。

そんな中でも、コンビニやファーストフード店など若年層利用が多い業種を除くと、多くの業種でキャッシュレス利用比率のトップがクレジットカード決済となっています。

例えこれまで現金決済だけで問題なかったという店舗経営者様でも、これから多店舗展開を進めて行く上ではキャッシュレス対応は避けて通れない課題です。

その中でもクレジットカード決済対応は特に重要な部分であり、消費者のための必須条件とさえなってきているのです。

(※)2023年3月経済産業省 商務・サービスグループ キャッシュレス推進室「消費者実態調査の分析結果」より

クレジットカード決済導入事業社のメリット

ではクレジットカード決済導入にはどのようなメリットがあるのでしょうか?

先ず第一に機会損失の軽減です。
前述の通り、7割以上の顧客は現金以外の決済ができると思って御社の店舗に訪れます。もし店舗に到着し決済が現金のみと知った場合にどうでしょう?一部の顧客は仕方ないと諦めて帰ってしまう可能性があります。「あのお店すごく良いんだけど、残念ながら現金しか使えないんだよね…」というイメージが付いてしまい、どうしても足が遠のいてしまいます。そんな顧客獲得の機会損失軽減がクレジットカード決済導入により期待できます。

次に顧客単価の向上です。
顧客は手持ちの現金を気にしながら買い物や飲食、サービスの提供などを受ける必要がないため、クレジットカード決済では客単価が上がりやすいと言われています。特に高価格帯の商品やメニューを提供している場合には、カード支払いの可否が客単価に大きな影響を与える可能性があります。

そして多店舗展開時に特にメリットとして大きいことが業務の効率化です。
現金決済と異なり売上情報は瞬時にデータ化され、多くの場合にはほぼリアルタイムで本部など店舗外でも確認が可能です。また、紛失・間違い・盗難などの現金特有のリスクもありません。

以上のように多店舗展開を進める上でクレジットカード決済導入には多くのメリットが見込まれるのです。

クレジットカード決済の顧客メリット

今度は、利用する顧客側のメリットも考えてみましょう。

先ず大きなメリットとして、顧客は手持ちの現金を気にする必要がないという点があります。買い物であれ飲食であれサービスであれ、財布の中身を気にしながらの消費ほどストレスなものはありません。クレジットカード決済はそのようなストレスを軽減させ、満足度の高い体験を得られるようになります。

そしてもう一つ、クレジットカード会社の提供するポイント付与やキャッシュバック特典などのお得なメリットがあることも重要です。どうせお買い物をするのであればよりお得にしたいと思うのは消費者の当然の心理です。これも大きなメリットとなります。

顧客にとって、ストレスなくお得に使える決済手段、それがクレジットカード決済です。

クレジットカード決済の手数料とコスト

クレジットカード決済を導入する際には主に以下のようなコストが必要となります。

初期費用:
クレジットカード決済用の決済端末費用やシステム導入費用です。決済会社によって価格設定は異なりますが、最近では無料で提供している会社もあります。有償の決済会社であっても、多店舗で複数同時に導入する際には価格交渉してみる価値はあります。

月額費用:
システム利用料や端末利用料などの月額固定費用です。料金体系は決済会社によって異なります。こちらも多店舗複数で導入の場合にはディスカウントされる可能性もありますので、決済会社に交渉してみる価値はあります。

決済手数料:
決済会社がカード決済ごとに徴収する手数料です。手数料率はカード会社や決済会社によって異なりますが3.5%前後が目安となります。こちらも多店舗で複数導入の場合には全体決済ボリュームが期待できますので、決済会社と価格交渉することをおすすめします。

上記以外にも、インターネット環境を準備したり通信費などの別途コストがかかる場合がありますのでご注意ください。

クレジットカード決済の導入手順

一般的にクレジットカード決済を導入するまでの流れは以下のとおりです。

決済会社の選定:
はじめにクレジットカード決済サービスを提供する決済会社を選定します。
複数の決済会社から情報を集め、その中からいくつかの会社に多店舗で導入する旨を伝え見積もりや導入提案をしてもらいましょう。そしてそれらを比較検討し自社にとって最適な決済会社を選択します。

クレジット決済加盟店契約:
次に、選択した決済会社とクレジットカード加盟店契約をします。
契約前には加盟店審査があり店舗情報などを提出し審査申請をします。これは新店舗オープンなどで利用場所が増えるたびに申請が必要になる場合があります。クレジットカード決済導入が初めての場合、決済会社によって異なりますが一般的に審査期間は1ヵ月ほどです。

端末やシステムの導入:
決済会社から提供される端末やシステムの設置をし使用可能な環境を整えます。レジ横などに設置するのが全体導線を考えた時に良いかもしれません。また各店舗を総合管理できるシステムなどが提供された場合にはそれらを使える環境を整えます。

社内研修後に利用開始:
操作方法や決済処理の手順などをスタッフに研修し利用開始です。通常の決済だけでなく、決済取り消しなどの方法もしっかりレクチャーしてください。それぞれ複雑な作業ではありませんが、アルバイトスタッフでもできるように研修は重要です。

また利用開始後に不具合が発生した時などに備え、予め決済会社には不具合対応窓口の有無や対応時間などを確認しておくことも重要です。

クレジットカード決済会社選びのポイント

多店舗展開時でクレジットカード決済を導入する際に最も重要なポイントは各種コストです。複数店舗での導入となると初期費用や月額費用も大きな負担となります。そしてさらに重要なコストが手数料です。単独店舗と比較し決済ボリュームが大きくなりますので、できるだけ安価な手数料の会社を選択することが重要です。

これらコスト部分については複数社から見積もりを取り寄せ、ボリュームディスカウントの交渉をしてみることも大切です。決済会社としても複数店舗導入はとても魅力的な案件となりますので、特別条件を提示してくれる可能性は高いです。

そしてもう一つ、多店舗を一元管理できる使いやすいシステムが提供されるかという点も重要なポイントです。仮に各種コストが他社より安価だったとしても、管理の手間が増えるようでは意味がありません。どんな決済管理システムが用意されているかもしっかりと確認しましょう。

その他、クレジットカード以外の決済手段の有無や、売上金の支払いサイクル、導入までの期間なども重要なポイントではあります。自社の優先状況に応じ、最もバランスの良い決済会社を選ぶことが重要です。

まとめ

時代背景から考えても多店舗展開を推進する企業様において、クレジットカード決済の導入については既に検討する段階ではなく、どの決済会社と契約するかの選択の段階です。

そんな中、多店舗展開の加盟店獲得は決済会社にとって非常に重要な営業ミッションとなっています。この点を踏まえて、自社の現状と成長計画をしっかりとプレゼンし、決済会社とは積極的な価格交渉をすることが重要です。

是非ともより一層の店舗展開に向けクレジットカード決済導入をご検討ください。