はじめに
自動車販売におけるクレジットカード決済とは？
そもそも車の購入でクレジットカード払いは使えるのでしょうか？
その答えは「YES」です。つまり自動車販売店はクレジットカード決済導入が可能です。
但し、利用の可否は店舗によって異なります。新車の場合に全額クレジットカード払いというのは対応していない販売店がほどんどで、頭金など購入費用の一部をクレジットカード決済対応しているディーラーや販売店が多いようです。
一方で中古車販売では全額クレジットカード決済が可能な販売店もあり、クレジットカード決済比率も多くなってきているようです。新車販売との違いは商品単価が関係しており、単純に顧客のクレジット利用枠の限度額が大きな要因となります。
通常の消費より高額な金額であるため利用者側の限度額による制限が大きいものの、自動車販売においては潜在的なクレジットカード利用需要は高いと考えられています。
クレジットカード決済導入のメリット
では、自動車販売店でクレジットカード決済を導入した場合にはどんなメリットがあるのでしょうか？
先ず第一に機会損失の軽減です。
一般的に言えば自動車の購入は顧客にとって大きな買い物です。いろいろ比較検討した上でもいざ購入となると慎重になる方も多いかと思います。そんな時に例え頭金だけでもクレジットカード決済をしてしまえば腹も括るというものです。そんな顧客決断の背中を押してあげるのにクレジットカード決済は有効な手段です。
次に顧客単価の向上です。
自動車は顧客にとって重要な買い物の一つですので、単純な価格で妥協するということはありません。一方で予算があるのも事実です。このジレンマを解消するのにクレジットカード決済は有効です。少しくらいの予算オーバーはクレジットカード払いで吸収できる可能性があるためアップセルに有効なだけでなく、予算内に収めるためのディスカウントも不要となります。結果顧客単価の向上が期待できるのです。
以上のように自動車販売店においてもクレジットカード決済導入には多くのメリットが見込まれます。
クレジットカード決済の顧客メリット
次に、利用する顧客側のメリットも考えてみましょう。
先ず最大の顧客メリットは、クレジットカード会社の提供するポイント付与やキャッシュバック特典などです。自動車は購入単価が大きくなるため利用金額に応じて付与されるポイントも大きくなります。どうせ買うならよりお得にと思うのは消費者の当然の心理です。現金払いでは決して得ることのできないため、これは大きなメリットとなります。
そしてもう一つのメリットとして、支払いを柔軟に調整できるという点があります。カードによっては決済後に支払い方法を分割やリボなどに変更できるものもあり、毎月の支払い金額を抑えることも可能です。無理なく購入できるという点も大きな顧客メリットとなります。
顧客にとって、お得で無理なく使える決済手段、それがクレジットカード決済です。
クレジットカード決済の手数料とコスト
クレジットカード決済を導入するの主な必要コストをご紹介します。
決済手数料：
決済会社が取引ごとに徴収する手数料で、自動車販売店とっては最も重要なコストです。売上金額の一定割合が手数料として引かれます。手数料率はカード会社や決済会社によって異なりますが、一般的には3.5％前後が目安となります。
初期費用：
クレジットカード決済用の決済端末費用やシステム導入費用です。決済会社によって金額は異なりますが、無料で提供している会社もあります。
月額費用：
システム利用料や端末利用料などの月額固定費用です。料金体系は決済会社によって異なりますが初期費用と同様で無料の会社もあります。
上記以外にも、インターネット環境の維持コストやタブレット端末を店舗側で準備しなくてはならない場合には別途コストがかかりますのでご注意ください。
クレジットカード決済の導入手順
一般的なクレジットカード決済を導入するまでの流れは以下のとおりです。
決済会社の選定：
はじめにクレジットカード決済サービスを提供する決済会社を選定します。
各種コストだけでなく、分割決済などの利用可否など、複数の決済会社の情報を比較検討し自社にとって最適な決済会社を選択しましょう。
加盟店契約：
次に、選択した決済会社とクレジットカード加盟店契約をします。
契約前には加盟店審査があり店舗情報などを提出し審査申請をします。審査期間は決済会社によって異なりますが一般的には1ヵ月ほどとなります。
端末やシステムの導入：
決済会社から提供される端末やシステムの設置をし使用可能な環境を整えます。据え置き型端末であればレジ横などに設置するのが全体導線を考えた時に良いかもしれません。ポターブル型であれば場所を選ばずに便利です。
社内研修後に利用開始：
操作方法や決済処理の手順などをスタッフに研修しいよいよ利用開始です。決済金額が大きくなると予想されるため、決済エラーが出た際の対応もマニュアル化しておくことが良いかと思います。それぞれ複雑な作業ではありませんが、一般スタッフでもできるように研修することが重要です。
また利用時に不具合が発生した時などに備え、予め決済会社には不具合対応窓口の有無や対応時間などを確認しておくことも重要です。
クレジットカード決済会社選びのポイント
自動車販売店でのクレジットカード決済会社選定において最も重要なポイントは決済手数料です。決済金額が大きくなるため決済手数料の差が大きく利益に影響を与えます。現在の売上から予想されるクレジットカード決済売上をクレジットカード会社に伝え、できるだけ良い条件で契約できるように交渉をしてみましょう。
そして次に重要なポイントが決済金の支払いサイクルです。自動車販売店においては仕入金額も大きくなると予想されます。できる限り売り上げの現金化を早めて、次の仕入れに使えるようにすることは重要です。そのためにもできるだけ早く決済金が入金されるような決済会社を選ぶことをおすすめします。
その他もちろん、月額費用・初期費用なども重要なポイントではありますが、自動車販売店にとっては決済手数料と支払いサイクルが重要な選定ポイントとなる可能性が高いです。複数の決済会社から情報を取り寄せ比較検討をしてみてください。
まとめ
自動車販売店でのクレジットカード決済は顧客のメリットがとても大きいと考えられます。これは自動車販売店にとって、価格以外の競合優位性となり顧客が他社と比較検討をした場合の大きな武器となります。
この機会にぜひ、導入を前向きに検討してみてください。
