はじめに
このページではサブスクサービス事業社様に向け、クレジットカード決済導入の基本的な情報をご案内します。
サブスクリプション型サービスとは?
サブスクリプション(以下サブスク)とは、定額料金を支払うことで、一定期間商品やサービスを利用できるビジネスモデルで、動画配信サービスや音楽ストリーミング、クラウドストレージなど、幅広い業界で採用されています。
経済産業省の24年9月報告書(※)によるとサブスク型サービスは拡大傾向にあり、近年では購入頻度の高い消耗品などの購入にも利用が拡大され、デンタル分野だけでなく我々の生活にどんどん浸透してきています。
(※)経済産業省 「令和5年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」より
サブスク型サービスとクレジットカード決済
サブスク型サービスを進める上で避けては通れない重要な課題が毎月の利用料金徴収です。多くのサブスク型サービスにおいては利用者数の拡大がビジネスの肝となります。拡大成長を進める上では安全で効率の良い決済方法を考えなくてはなりません。
現在、このような毎月の支払いに最も適した決済手段がクレジットカード決済です。今では世界中のサブスク型サービスで最も多く利用されている決済手段です。
クレジット決済サービスではこのような毎月の決済を「継続決済」と呼び、昔から多く利用されており、クレジットカード決済の得意分野とも言えます。
サブスク型サービスでのクレジットカード決済導入のメリット
サブスク型サービスでクレジットカード決済を導入した場合のメリットは以下の通りです。
先ず第一に集金業務の削減です。
クレジットカードでの継続決済は、毎月など決まった周期で自動的に決済が実行されます。そのため請求業務や入金確認業務、また未収回収業務などの手間が大幅に削減されます。
続いて未収リスクの軽減です。
同じく定期的な決済に利用される銀行引き落としと比較した場合、クレジットカード決済が大きく異なる点は「後払い」であるという事です。つまり決済日の銀行口座残高の影響を受けません。これは結果として未収リスクの大幅軽減に繋がります。
最後に機会損失の軽減です。
クレジットカード決済は24時間365日対応が可能です。また決済情報は通常リアルタイムにデータ化され、システムと連動することで決済後直ちに利用者にサービス提供が可能となります。これにより利用者の熱を冷ますことなくサービス提供に至ることができるのです。
このようにサブスク型サービスではクレジットカード決済のメリットが大きく発揮され、利用者にとっても高い利便性を提供することができるのです。
クレジットカード決済導入のコストと手数料
通常クレジットカード決済を導入する際には以下のような費用が発生します。
初期費用:
クレジットカード決済システムの導入費用です。決済会社によるアカウント発行費用やシステム設定費用などがこれに該当します。初期費用は決済会社によって様々であり、また利用するサービスやプランによっても異なります。
月額費用:
決済システム利用料などの月額固定費用です。こちらも決済会社によって様々な設定がされています。店舗利用などの端末決済と異なり多くの場合には有償となります。
決済手数料:
決済会社がカード決済ごとに徴収する手数料で、売上金額の一定割合が手数料として引かれます。手数料率もまた決済会社により様々であり、提供するサービスの内容や平均単価、また事業実績やビジネス規模によっても大きく異なります。
上記の他、決済ごとに発生する認証料、取消時に発生する取消手数料などが必要となる場合があります。これも決済会社ごと設定が異なりますので、決済会社選定時に必ず確認しましょう。
クレジットカード決済の導入手順
サブスク型事業者がクレジットカード決済を導入する流れは以下のとおりです。
決済会社の選定:
先ずはじめにすることが契約する決済会社の選定です。継続決済に対応している決済会社は多数あります。必ず複数社から情報を取り寄せ、各種コストなども比較し選定しましょう。
加盟店契約:
次に、選択した決済会社とクレジットカード加盟店契約を進めます。契約前には加盟店審査があり会社情報や提供サービスに関する情報などを提出しカード会社への審査申請をします。審査期間は決済会社によって異なりますが一般的には1ヵ月ほどです。
決済システムの導入:
加盟店審査が完了し決済会社と無事契約をしたら、次は決済会社から提供されるシステムの設定など利用準備を進めます。顧客がどのような導線で決済を実行し、決済後はどのようにサービスを提供するのか、利用顧客の利便性を損なわぬようシミュレーションもしてみましょう。
システム接続後に利用開始:
自社で提供するサービスシステムと決済システムの連携が正常に作動していることを確認し利用開始となります。通常の決済実行だけでなく、決済の取り消し処理や不正決済の対応なども予めチェックし安心して稼働ができるような準備も忘れてはいけません。
また、万一不具合が発生した時などに備え、予め決済会社には不具合対応窓口の有無や対応時間などを確認しておくことも重要です。
クレジットカード決済会社選びのポイント
先ず継続決済を提供している決済会社を複数社探し出し、それぞれの会社からサービス内容資料などを収集してください。
本来、最も重要なポイントである決済手数料ですが、実は昨今、各決済会社が提供する決済手数料に大きな差はなくなってきました。ただ見込まれる決済ボリュームに応じて特別な手数料率を提示してくれる場合もありますので、事前にできるだけ自社サービスに関する資料を準備して決済会社に交渉することをおすすめします。
決済手数料以外で重要なポイントは、導入費用・月額費用・認証料・取消手数料などの各種費用です。Excelなどで各社の比較表を作り検討すると良いかもしれません。
そしてもう一つ重要なポイントが決済金額の入金サイクルです。入金サイクルは最長でも月末締め翌月末支払いの場合が多いですが、決済会社ごとプラン設定が異なるので、この情報も比較表に記載すると良いでしょう。
まとめ
サブスク型サービスは、顧客との関係を強化し、収益の安定化やビジネス成長を促進するために有力な手段です。
そしてその決済手段にはクレジットカード決済が欠かせません。事業の計画には忘れずにクレジットカード決済の導入を組み込むことを強くおすすめいたします。